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2009年05月26日

続いて台風一八号襲来、再度不通

 前回の台風一〇号による災害不通区間が一八日ぶりに開通したのが八月二〇日。あめ

その二〇日余あとに今度は台風一八号がまたまた襲来。

前回の被害箇所はあくまでも応急処置しかしていない箇所が大半であり、実は台風の再襲来を最も恐れていたところであった。


 九月十二日○時に中込支区が、続いて二時五〇分に川上支区が、三種警備を発令、線路巡回を始める。前回被害の最も大きかった第二千曲川橋りょうへは、支区助役と業者に見に入ってもらうことにする。
第二千曲川B付近は、前回の応急工事のための川廻し工がそのままで、河川断面が通常の半分以下になっており、中聖牛まで設置したこの頑丈な川廻し工が破れなければ、増水時、対岸の民地が水につかるおそれがあり、地元からも早く川廻し工をてっ去してほしい旨の要請を受けていたところである。

 ”増水すればこんな川廻し工なんか簡単に破れてしまいますから地元に迷惑をかげることはないと思いますので御心配なく!”
なんて立派なことを云っていた手前、気が気でならない。
  三時すぎの第一報では、川廻しに沿って水は二P、三Pに流れているとの情報。やはり、しっかりしているため破れないのかと思っていると、四時半ころ
 「川廻し工が中聖牛のすぐ下流で破れ、濁流が川幅一杯に流れているが、橋りょうには異常なし!」
の連絡が入り、ヤレヤレ。
 次第に雨館強くなり呼び出し要員も増やさざるを得ない。またまた今日は日曜日。七時すぎ、現場から、
 「前回被害を受げた松原湖~小海間四七k五五〇m付近の土俵が変状を起しているので列車を抑止した。」
 という連絡が入る。よく止めてくれた。が、これから台風がますます激しくなるというのに、旅客列車を駅間に止めておいたままにするわけには行かぬ。
 「現場をよく確かめて、列車が通せるようなら、現場で一旦停止、最徐行で小海駅まで入れてくれるように。」
と指示。ともかく、列車は小海駅に無事到着した模様。これでまず小海線佐久海ノロ~小海間が不通。
 十三時、長野県下全域に暴風雨・洪水警報が発令される.
 第二千曲川橋りょうは.仮橋脚として鋼製ベンドが三段積み重ねてあり、そのうち下の二段はコンクリートで固めてあるが、最上段は古レールを建て込んで防護してあるのみ。濁流が三段目ベンドに当るようになって来たため、ついに列車抑止。野辺山~川上間の前回、地すべりさわぎのあった山がまた動き出した模様ということで、"避難命令”が出される。
 甲斐小泉~清里間で、列車の直前で倒木が発生。二両目のDCの窓ガラスが割れ、ケガ人が出た模様との連絡が入る。清里へ旅行に来た20才前後のお嬢さん二人か頭と唇にガラスの破片により、全治三~四日間のケガをして病院で手当を受げたとか、まことに気の毒なことになってしまった。
 どうか大したことがありませんように!
その後、各所で側こう誰氾濫したり、けた下に水駐届くようになったりで、一六時二一分小海線は小諸~小淵沢間の全区間で列車抑止となる。
 台風一八号は、九月一二日一八時○○分御前崎に上陸、関東、東北地方を縦断して北海道へ抜ける。総雨量は前回より多い二二七nm。年間雨量が一、000mmの地方にしては、まれにみる豪雨である。
 台風通過後の=二日未明から現場巡回開始。かなり思いきった対策工を施工した第二千曲川橋りょうはほとんど異常なし。それ以外のいわば傷口に絆創膏を貼りつけたような箇所のほとんどは、土俵工等にかなりの変状が見られた。特に海尻~松原湖間四三?付近では、台風一〇号で高さ一〇m、延長三〇mにわたって護岸壁が崩れ、約三、QOO?の土砂が流失。蛇かご、土俵工で応急処置した箇所が、今回さらに四~五m洗掘され、高さ一五m延長七〇mにわたって土砂が流失。あと少しで線路が宙づりとなるような状態であった。
 このため、佐久海ノロ~小海間は再度の不通、これまた開通の見込みのたたないような大被害。またまた一ケ月程無理であろう、と思われる。これ以外の区間は、十三日午前中に開通する。



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タイトル:鉄道員に魅せられて
著者:粕渕輝雄