2003年07月30日
安全・サービスは『声を出すこと』から
今年もまた新入社員を迎える季節がやってきた。毎年この時期は、研修センターに活気がみなぎり、一年のうちで最も『輝く』ときである。新入社員のはつらつとした大きな声が、教室や、グランドから満ち溢れている。「ビジネスマナー」の授業では、『ハイ、オアシス』と呼ばれる訓練が行われる。4~5名が1チームとなり、「はい」「おはようございます」「ありがとうございました」「失礼しました」「すみませんでした」を練習の後、皆の前で発表する。講師は大変厳しく、声の出し方、お辞儀のし方、顔の表情などを採点し、合格するまで何回でもやり直しをさせられる。どの研修生も真剣そのもので、講師からようやく「合格!」と言われると、「やった!」と歓喜の声が上がる。研修期間中の廊下や寮での大きな挨拶は、実に気持ちが良い。約1ヶ月半の研修を受け、駅等各職場に配属されて行くが、各駅では、新入社員の元気な声とすがすがしさに、お客さまからも声援が送られる。『サービスの基本』である。
技能講習中の見習運転士。指先をしっかり伸ばし、客室に聞こえるくらい大きな声で信号確認などの「指差喚呼」を行っている。お客さまもこの運転士の動作を見て、頼もしそうに見守っている。『安全を守る原点』である。
しかしながら、この元気の良い大きな声での、挨拶も指差喚呼も、徐々にトーンダウン、振り返り研修に帰ってきて時は、「あのときの元気さはどこへ行ってしまったの?」と思うくらい、声の出ない社員が少なくない。
「職場に行ったら、一部の先輩が大きな声を出していないから」という社員もいた。しかしそれだけだろうか。「人(講師)から言われたから」「人が見ているから」やっていたという気持ちは無かったか。
ある駅で、新入社員を対象とした“my opinion”の発表会が行われた。「研修センターで教えられたとおり『大きな声で挨拶』しても、職場ではなかなか返事が返してもらえませんでした。それでも、何回も何回も挨拶しているうちに、次第に返事をしてもらえるようになりました。」と。先輩や同僚の心を開かせ、職場の雰囲気まで変えた、新入社員のけなげなまでの奮闘振りである。
研修センターにおける集合研修や職場内教育(OJT)で身に付けた知識・技能を、『分かる(理解する)』、『できる(力はある)』だけで終わらせることなく、いかに現場で『やる(実行する)』に結びつけるか。それが、たとえ「人に言われなくても」「誰も見ていなくても」自ら実行する、自律心を持った社員でなければならない。
当社は、この10年間に約半分の社員が、現場第一線から離れていくという、急激かつ大幅な「世代交代期」にあり、業務知識や技術の継承をいかにスムーズに行うかが重要な課題です。


